
2025/05/27
コープきんきが取り組む「ファンづくり」とは ―ファンへと進化する過程に必要なこと
たにぐち
近畿エリアの7つの生協が連携し、商品調達や物流などを共同化することで、組合員さんの日々のくらしをより安全・安心、便利にしているコープきんき事業連合さま。
2023年から始まった「コープきんき公式アンバサダー」企画では、生協を愛する組合員の皆さまとともに、SNSを活用して生協商品の魅力を広める取り組みを実施。そして、2025年には「ファンづくり推進グループ」が立ち上がり、アンバサダー企画の運営をはじめ、「ファンづくり」活動に本格的に着手されています。
私たちPlan/f(ANDCOCO株式会社)は、このアンバサダー企画の立ち上げ当初より運営をサポート。今回は、その取り組みを通じて見えてきた課題や未来への展望、そして「ファンづくり」について、ファンづくり推進グループの皆さまにお話を伺いました。
コープきんき事業連合 https://www.kinki.coop/
近畿2府3県(滋賀・京都・奈良・大阪・和歌山)の7つの生協が集まった事業連合。7つの会員生協あわせて230万人を超える組合員の「まとまりの力」を活かして、商品の開発や仕入れ、宣伝、PRなどを行っています。
目次
Plan/f
まずは、「ファンづくり推進グループ」の立ち上げについて教えていただけますでしょうか。
石川さん
これまで、「ファンづくり推進グループ」の前身となる部署では、テレビCMやWeb広告などにはじまり、お試し企画やWeb加入の導入など、私たちコープの認知向上から加入促進までを中心に行ってきました。その流れを整理する中で、加入までではなく、その先の利用定着、さらにはファンになっていただくまでの全プロセスを一連のものとして見通しながら、それぞれの施策を行っていく必要があるという考えに至りました。そんな流れの中で、「ファンづくり」が組織的なキーワードにもなり、2025年にマーケティング企画部の中に「ファンづくり推進グループ」が位置付けられたということです。
Plan/f
組合員さんの「利用定着からファンへ」と取り組みを広げられたということですが、どのようなことからはじめられたのでしょうか。
石川さん
組合員さんに、商品を好きになってもらおうということからです。商品をもっと知ってもらい、新たな商品に出会ってもらい、今よりもっと好きになってもらおうということを会員生協と一緒にいろいろと議論をしてきました。2023年頃からは利用定着のプログラムにも注力するようになりました。
椿さん
具体的には、商品学習会や産地研修などを通じて組合員さんに商品の魅力を伝える機会を重ねてきました。その商品をつくっている生産者やメーカーさんの想いや現状も含めて知っていくことで、より商品の価値を理解してもらえるのではないかというところを考えてきました。ANDCOCO(Plan/f)さんと進めている「コープきんき公式アンバサダー」の取り組みも、アンバサダーさん自身が商品を使ってみて、SNSで発信するということを通して、商品体験を積み上げる取り組みだと思っています。
Plan/f
2023年よりスタートした「コープきんき公式アンバサダー」は、特に生協に対して熱心な組合員さんたちに商品をお試しいただき、リアルな“コープのあるくらし”をSNSで発信していただく企画。私たちにとっても非常に学びの多い取り組みとなっています。このアンバサダー企画で見えてきたことはありますでしょうか?
奥田さん
コープきんき事業連合は、会員生協の後方支援業務のため、組合員さんの声を直接聞ける機会が非常に少ないです。その中で、アンバサダーである組合員さんの商品への関心の高さや愛着をSNSやオンラインミーティングを通して直接受け取ることができる貴重な機会となっています。 生協への想いを想像以上にたくさん語ってくださること、同じく生協を好きなアンバサダーさんどうしの共感力の高さに、驚きと力強さを感じています。
小林さん
愛着を持っていただくことって本当に大切だと思いました。それには、こちら側からの一方的な発信だけではなくて双方向性のコミュニケーションが必要だと感じています。そのために自分たちができることを日々考え、実行に進めていかないといけない。このアンバサダー企画の取り組みがその第一歩になったのかなと思っています。
Plan/f
双方向性のコミュニケーションという言葉が出てきましたが、印象に残っているアンバサダーさんとのエピソードをおしえてください。
奥田さん
本当にたくさんあります。
アンケートで回答いただいたお気に入り商品について、改めてヒアリングさせていただいたところ、商品のお気に入りポイントを長文のメッセージでいただきました。そのメッセージには、商品のおいしさ、使いやすさはもちろん、いかにご自身のくらしに欠かせないかが熱意を込めてまとめられており、その想いと商品への理解の深さに、とてもびっくりするとともに、その商品の魅力に改めて気づかされました。
オンラインミーティングでも、みなさんおすすめの商品についてイキイキと、また熱を込めてお話しくださります。それを聞いた他のアンバサダーさんも「そうそう」と共感が生まれたり、「その商品注文しよう!」と新たな発見になったりと。本当にみなさんすばらしいプレゼンテーションです(笑)
椿さん
良い体験は、周りに伝えたくなりますよね。また、広く大勢に刺さらなくても一人に深く刺さるというようなこともアンバサダーさんとのコミュニケーションからみえてきたように思います。「一人に深く刺さる」を積み上げていくためにも双方向性のコミュニケーションがキーになりますね。
石川さん
アンバサダーの方々は自然体で生協のファンでいてくださる。それは新たな発見でしたね。組合員さんの「生の声」をもっと聞いて、ファンづくりをもっと積極的に進めるべきだと思います。
Plan/f
組合員さんの「好き」を育て、ファンへと進化する過程に必要なことは何だと思われますか?
石川さん
職員を巻き込むことがまず第一歩ですね。職員一人ひとりが「生協のファン」になることで、働く場所としての愛着が形成され、それが組合員さんとの関係性にも良い影響を与えていくと思っています。職員が組合員さんと向き合う際の熱量ってすごく重要です。
まず職員にたくさんの体験をしてもらい職員自身に生協の価値を感じてもらう。そうして、「ファンづくり」への考えや意識を周りに感染させていく。そのような状況を関係する様々な方たちを巻き込みながら広げていくかが私たちファンづくり推進グループとしての課題です。
小林さん
私たちが目指す「ファンづくり」は、いろんな意味を持っています。職員のエンゲージメントを高め、今よりももっと自分たちの仕事に誇りを持ってもらえればその熱量は組合員さんにきっと伝わります。そうすれば、組合員さんも生協の商品を選んでくれるようになり、それが、商品を作っている生産者さんのためにもなります。私たちが考える「ファンづくり」は、組合員さんも生協で働く職員もみんなが幸せになれるくらしを目指すことです。そのために、まずは私たち自身も生協ファンでいることが大事だと思っています。
椿さん
そうですね。やはり職員が「想い」を持って活動しないと、組合員さんには伝わらないと思います。「物を売ればいい」という姿勢では見透かされてしまうので、商品だけでなく、その背景やこだわりを職員自身が理解している必要があります。そのためには、まず職員自身が生協を「好き」でなくてはいけないし、それには、自分自身が今の仕事を楽しんでいかなければと思っています。
Plan/f
アンバサダー企画への気づきの中で「良い体験」「双方向性のコミュニケーション」といったキーワードが出てきましたが、今後、新たに挑戦したいことなどはありますか?
椿さん
アンバサダー企画は現在3期目ですが、その中で感じたのは「体験を積み重ねる」ことの重要性です。「生協がいて良かった」という安心感、信頼感を積み重ねることで、ファンも増やせるんじゃないかなと思っています。アンバサダー企画はコープきんきのなかでもっと横展開していかなければならないと思っています。コープきんき、そして会員生協も巻き込んでアンバサダーさんとの関係を新たな形で継続させていきたいです。
石川さん
コープきんき主体のファンイベントとかしてみたいですね。そのイベントでは、コープきんき職員全員で「ファンづくり」を体験する。それぞれの想いを伝え合う経験(=リアルな双方向性のコミュニケーション)をすることで、より一層組織力があがり、より「ファンづくり」への想いが深まるのではないかと思います。
Plan/f
最後に、私たちPlan/fへの期待をお願いします。
石川さん
昔からの付き合いで身近な存在。同じ目線で一緒に「ファンづくり」を考えて、一緒に作り上げていけるパートナーであってほしいです。認知から加入、利用定着そしてファンに至るまでのプロセスを一緒に学び、考え、みんなが幸せになれるくらしを目指し、互いに成長していければと思います。
―ファンづくり推進グループの皆さま、ありがとうございました。
▼コープきんき公式アンバサダーの活動内容はコチラ!
コープきんき公式アンバサダーの活動レポート
コープきんき公式Instagram
\ファンと向き合う一歩目を、Plan/fといっしょに/
編集者たにぐち
インタビューの中でとても印象的だったのは、ファンづくり推進グループ様が「ファンづくり」において、組織の中の熱量をすごくすごく大事にされていたことです。人の真摯な想いに触れるとこんなにも心が動くのかと改めて気づくことができました。みなさま、本当にありがとうございました!
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