スキるUP日記
スキルアップ日記#9_みつけた!スキ・トリガー〈洗濯洗剤編〉一度きりで終わらせない―ブランドとの再接点が生むリピート購買体験―

2025/05/13

一度きりで終わらせない―ブランドとの再接点が生むリピート購入体験―

たにぐち

 “ブランドと生活者がつながる時―ブランドがすべきコミュニケーションとは”では、SNSを通してブランドの素直な想いに触れたことで商品購入まで至った体験を紹介しました。今回は、その後についての続編です。商品を購入してから1年が経った頃、私が再びブランドへの熱が高まり、思いがけずリピート購入に至った“あるきっかけ”がありました。みなさまも似たようなご経験はあるでしょうか。ぜひ、ご自身の日常をふり返りながら、一緒に考えてみていただけるとうれしいです。

初回購入後のキモチの変化

偶然触れたブランドの想いに共感

 私が購入したのは、様々なエシカル商品を取り扱い、環境に配慮したライフスタイルを提案しているブランドが新たにつくった洗濯洗剤です。もともとそのブランドのInstagramをフォローしていましたが、サイトへ訪問したことはなく、また商品も利用したことがない状態でした。

 ある日、何気なくみたInstagramに新しく販売する洗濯洗剤の開発ストーリーが投稿されていました。そこに書かれていたのは、その時私が抱えていたモヤモヤを受け止めてくれるような内容で「このブランドを応援したい」とそのまま商品購入ページへ移動するほど心が動きました。

 ちなみに、SNSでの商品購入に関するデータでは、SNSから商品購入に至った人の約6割以上が“興味関心の有無に関わらず購入する予定はなかった”※1と回答しており、私のように偶然の出会いで購入に至るケースが多いということがわかります。

 また、SNS上のどのような内容が商品購入の決め手になるかについては、実際の使用感などが想像しやすい「商品の紹介動画」がデータ上多い※2とのこと。でも、私が見た投稿は、商品の価格や容量などの実際の使用感が伝わる内容は少なく、開発への想いが中心に投稿されたものでした。使用感など、商品情報をあまり獲得できていない状態で購入意志が芽生えたということは、投稿に書かれたブランドスタッフの想いの方が私に響いたということです。(価格や容量などの商品情報は購入サイトへ移動したあとに見ました)

高まったキモチのその後

 予約購入だったので約2週間で商品が届きました。投稿から感じたブランドの想いや世界観と実際に手に取った商品のパッケージや使用感がピッタリ合わさり「いい買い物したな」と満足度の高い買い物体験となりました。

 その後もInstagramで商品を検索しては、他の方の投稿を見るなど、ブランドへの関心が比較的高い状態が続きました。しかし、半年ぐらい経つと商品を手にする時の高揚感は薄まり、Instagramの投稿も流し見するようになるなど、はじめほどブランドへの想いが継続していない私がいました。

 そんな中、ブランドへの熱が再燃した“あるきっかけ”がありました。

初回購入から1年後に起きた“あるきっかけ”とは

ブランドとの再接点

 ある日、そのブランドから商品の使用感についてのアンケート依頼メールが届きました。個人宛てではなく、多数に配信されているようなメールでアンケートに答えるとクーポンがもらえるという内容でした。その時、リピート購入への意志はあまり強くなかったのでクーポンに関してはそこまで私には魅力的な情報ではありませんでしたが、そのブランドに少し関わりたいという気持ちがあったため、アンケートへの参加を申請しました。

 その後、個人宛てに「商品についてオンラインもしくは電話にて直接ヒアリングがしたい」とメールが届き、オンラインにてヒアリングを受けることになりました。最初は、アンケートフォームに入力するぐらいだと思っていたので、実際にブランドスタッフと対面するとなると1回しか購入したことのない私がブランドにとって有益な情報を提供できるのか不安になりましたが、「1度の利用でも全然問題ない」と連絡があり安心して当日を迎えました。

商品ヒアリングに参加

 ヒアリングは、私とブランドスタッフ3名(ブランド責任者さまもいらっしゃいました)でオンラインにて顔を互いに見ながら実施されました。結果、予定していた15分間のヒアリングはさらに20分延長するほど話が盛り上がりました。

▼ヒアリングでお話した内容はコチラ

  • 商品の購入きっかけ
  • 商品の第一印象
  • 商品の使用感
  • 洗濯にまつわるお悩み
  • 商品の改善点
  • 商品・ブランドへの質問
  • その他に開発して欲しい商品
  • 商品価格への印象
  • 価格努力の打ち出し方
  • 母の日用のギフト提案のアイディア

ブランドへの熱が再燃した理由

ヒアリング後のキモチの変化

 ヒアリングを終えた感想は「やっぱり、いいブランドだったな」でした。なぜ、このような感想を持ったのか、またブランドへの熱が再燃した理由は何なのか、自分なりにふり返り3つのポイントにまとめてみました。

  1. ブランドスタッフの人柄が伝わる
  2. 私がなぜこのブランドが好きなのか、自分の言葉から再度理解する
  3. 今後の商品展開について一緒に考えることでブランドへの思入れが深まる

 まず1点目は、私がイメージしていたブランドとスタッフさんの雰囲気が一致している部分が多く、よりブランドの世界観を体験できたこと。2点目は、商品の購入きっかけについて話すうちに当初(Instagramの投稿を見た時)の高揚感が蘇ってきたこと。そして、3点目が今後の商品展開について一緒に考えたことで思入れが深まったことです。以上の3つのポイントから私は再度ブランドへのキモチが高まったのではないかと考えます。

1回目と2回目の購入トリガーの違い

 そして、私はヒアリングを終えて1週間以内に2回目の購入をしました。気持ちが高まっている時の“クーポン”という後押しも大きく、自分用と身近な人へのちょっとしたギフト用も含めて計6点購入してしまいました。

 初回は、偶然出会ったブランドの想いへの共感が購入トリガーとなりましたが、2回目は、さらにブランドの中の人とつながったことで「このブランドともっと関わりたい」「このブランドを選択する人でありたい」といったブランドへの支持が購入トリガーになったのではないかと考えます。

長くお付き合いしていくために必要なこと

キーポイントはやはり“積み重ね”

 ここまでの体験を通して、認知・新規購入からリピート購入もしくは利用定着へと行動変容を起こすためには、“ブランドとの直接的なつながり”が非常に重要であることに気づきました。言い換えると、いくら1回の施策で相手に大きなインパクトを与えたとしても熱は継続しづらく、双方向からのコミュニケーションの積み重ねなしにファンへと進化することは難しいのではないかと強く思いました。

直接的なつながりとして「商品ヒアリング」は有効的

 そして、直接的なつながりを創出しリピート購入を促す手段に「商品ヒアリング」は有効的だと実感しました。ヒアリングを実施することで利用者の“商品への感想を伝える=言語化する行動”を引き出し「やはり私はこの商品に対して興味関心が高い」と再認識するきっかけをつくると考えるからです。

 また、その際、1対1のヒアリングである方がさらに自己開示がしやすく、ブランドスタッフの視線が自分だけに向いている体験がブランドへのエンゲージメントを高める要素になるのではないかと思いました。

 みなさまは、企業やブランドとしてリピート購入を促す際、どんなポイントを大切にされていますか? また、生活者として“もう一度買いたい”と思われた時に、どんなきっかけがあったのでしょうか。 ご自身の体験を振り返りながら、ぜひ一緒に考えていただけるとうれしいです。

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※1※2
生活者起点のリサーチ&マーケティング支援を行なうネオマーケティングが実施した調査結果より

\ファンと向き合う一歩目を、Plan/fといっしょに/

編集者たにぐち

初回購入、そして2度目の購入を“ついしてしまった”という体験が、なんだかおもしろいと感じたので記事にしました。この後、自分は継続利用へと進むのか、はたまた初回購入後と同じように熱が冷めてしまうのか、ちょっと楽しみです。

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