
2025/09/16
”ファン”を超えた関係性から見つけた、“スキ”の広がり方
たにぐち
こんにちは。新人プランナーのたにぐちです。
先日、久しぶりに会った友人たちとの会話を聞く中で「あ、これ、ファンコミュニケーションを考える時に大事にしたい感覚かも」と思う出来事がありました。今回は、そんな出来事から得た気づきを通じて、私がこれから大切にしていきたい「“スキ”が広がるコミュニケーション」について、考えていきたいと思います。
目次
先日、一緒に食事をしていたのは、友人のAさんと、彼女が以前働いていたセレクトショップの常連客Bさんでした。
そのお店は、化粧品や雑貨を取り扱い、カフェも併設されたセレクトショップでした。お店は、観光客だけではなく地元の方々からも愛されていたそうで、とくに、海の近くにあったことから、サーファたちの憩いの場にもなっていました。
お店は、残念ながら閉店してしまいましたが、AさんとBさんの関係性は、今でも続いています。この日、二人の会話の中に、「私が大切にしたいファンコミュニケーション」のヒントがたくさん詰まっていました。
二人の会話の中で、とくに印象に残ったエピソードが2つあります。
一つ目は、とある冬の日のこと。
Bさんがサーフィンを終えて海から上がると、ちょうどお店の営業終了時間だったそうです。そんなとき、店内からAさんが出てきて、「コーヒーはもうサーバーを落としちゃったので、よければこれを…」と白湯を差し出してくれたとのこと。Bさんは、「あのときの白湯、すごく冷えた体に染みわたった」と話していました。
そして二つ目は、お店の閉店が決まったときのこと。
Bさんをはじめとする常連のお客さまが中心となり、閉店イベントを企画。当日は、Aさんをはじめ、これまでそのお店で働いていたスタッフも集結し、音楽を演奏したり、思い出を語り合ったりと感慨深い時間となったそうです。
あらためて、二人の関係性について考えてみると、これは「接客」でも「サービス提供」でもなくて、もっとフラットであたたかい、人と人のつながりなんだなと思いました。
たとえば、白湯を渡したあの瞬間も、Aさんから見てBさんは「お客さま」ではなく、「目の前で寒さに震えている、よく知っている人」だったのだと思います。
また、閉店の知らせを受けたときも、Bさんをはじめとする常連のお客さまにとって、それを「誰かのお店の終わり」ではなく、「自分にとって大切な場所の節目」として受け止め、何かをしたくなったのではないでしょうか。
売り手と買い手という関係性を超えた、つながり。私はこのように一方通行ではなく、互いにちょっとずつ影響し合って、“スキ”がにじんでいくような関係性をファンコミュニケーションで目指したいなと思いました。
現在、ファンとの取り組みを行う企業が増えているかと思います。
ファンを見つけること、ファンの声を聞くこと、ファンの声を活かす(広げる)こと。
そういった取り組みはどれも大切ですし、これからもどんどん広がってほしいです。
しかし今回、話を聞く中で強く思ったのは、Bさんは「お店のファン」だという認識が二人のあいだになかったことでした。はたから見れば、お店の店員さんと、そのお店が大好きなファンという関係性が育って、やがて友人のような関係性に発展していった――。そんな「ファンと企業のありたい姿の成功例」のように見えるかもしれません。
でも実際は、ファンを“つくろう”とか“関係性を育てよう”といった目的が先に来た行動ではありませんでした。Aさんは、目の前の一人とのつながりを自分らしい温度感で大切にしていったことで、自然に関係性が育っていったように感じました。
今回の出来事を通して、私自身ひとつの気づきがありました。それは、私にとってファンコミュニケーションをすすめる中で大切にしたいのは、“自分の好きなモノ・コトをきっかけに出会った方とのつながり”を自分らしい距離感で、心地よく育んでいくことです。
それが、私が模索している“スキ”を広げていくことに、つながってくるのかなと思いました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
\ファンと向き合う一歩目を、Plan/fといっしょに/
編集者たにぐち
今回の経験は、"好き"の輪を広げていきたい人として、心に留めておきたい学びでした。皆さんも、ファンと接する際に大切にしていることがありましたら、ぜひ教えてください!
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