みなさん、こんにちは。新人プランナーのたにぐちです。

今回は、日々の中でふと感じた「なんでだろう？」という小さなハテナから、
自分なりに考えてみたことを書いてみました。

「考えたい　わたしのハテナ」は、そんな日常のギモンからはじまる、
わたしの“思考のメモ”です。ぜひ、最後まで読んでいただけますとうれしいです。

レビューを見て購入をとまどった日

先日、ドラッグストアでフェイスマスクを購入しました。パッケージのデザインと、そこに書かれていた商品情報に惹かれて、なんとなくカゴへ。念のため、レジで並んでいる時にSNSや口コミサイトをチェックしてみると――「肌がつるつるに！」「毛穴がなくなった！」という高評価の投稿がずらり。しかし同時に「ステマっぽい投稿が多すぎて信用できない」「成分はよさそうだけど、ちゃんと入ってるの？」という声もあり、購入前に少し不安な気持ちになってしまいました。

結果的に、わたしの肌には合っていたので、満足度の高い買い物になったのですが、
この体験を通して気づいたのは、「高評価な投稿が多い＝信頼できる」とは限らないということでした。

これまでの「バズ＝成功」の時代

SNSが盛り上がり始めた2010年代前半。当時の広告業界では、“バズる”ことが成功事例としてよく語られていたように思います。どれだけ拡散されたか、どれだけ話題になったか。フォロワー数やインプレッションがKPIの中心で、炎上すら「話題になった」とポジティブに捉えられる空気もありました。

一時の話題性こそが、ブランドの存在感を押し上げる――
そんな時代だったのかもしれません。

「信頼」が選ばれる時代に

一般社団法人 日本インタラクティブ広告協会（以下、JIAA）の調査によると、「インターネット広告を信頼できる」と答えた人は わずか21.6％ に留まるそうです。一方で、「広告企業の評判」や「メッセージの誠実さ」など、“広告の中身”よりも“その背景”を重視する人が増えているとのこと。

さらに、不適切な広告の掲載は「メディアの信頼を損なう」と答えた人が 54.4％、「不適切なメディアへの広告掲載はブランドの信頼を下げる」と答えた人も 39.3％ にのぼり、この傾向は2021年から強まりを見せています。

つまり、わたしたちは今、「誰が」「どこで」「どんな姿勢で」発信しているかを無意識のうちに見極めながら情報を受け取っている、と考えられます。“どれだけ話題になったか”ではなく、“どんな文脈で伝えられているか”が信頼への決め手となり、それは、広告だけでなく、SNSの発信や口コミにも共通する流れなのではないでしょうか。

信頼される発信とは？

では、「信頼される発信」とは何でしょうか。

JIAAの調査にもあったように、今の生活者は「何が書かれているか」だけでなく、「誰が、どんな姿勢で発信しているか」を見ています。

極端に高評価ばかりのレビューや企業からの一方的な宣伝投稿は、むしろ不信感を生んでしまう。逆に、体験者や愛用者の言葉があり、背景や文脈が誠実に語られている投稿ほど、「この人（このブランド）は信じられる」と感じてもらえるのではないでしょうか。

たとえば、

• 商品の“良さ”だけでなく、“選んだ理由”や“使う人の気持ち”が伝わる投稿
• 完璧な写真よりも、良いも悪いも含めたリアルな声や工夫が垣間見える投稿
• 一方的なPRではなく、生活者との対話を感じるような投稿

こうした発信は、フォロワー数やインプレッション以上に、「共感」や「信頼」を積み重ねる力を持っているのではないかと考えます。そしてその「信頼の積み重ね」こそが、最終的にブランドを“選ばれる存在”にしていくのだと、わたしは思います。

今回の気づきから感じたこと

今回の体験を通して感じたのは、「高評価な投稿が多い＝信頼できる」とは限らない、ということでした。

今の生活者は、情報を“受け取る側”であると同時に、自分に合う情報を“選び取る側”でもあります。一生活者としてのわたし自身も、日々SNSや広告の中から、「これは本当かな？」「この人の言葉は信じられるかな？」と、自然と“見抜く力”を働かせているように感じます。

だからこそ、これからの発信では「伝える」よりも前に、「信頼してもらう」ことが大切なのではないでしょうか。信頼のない情報は、そもそも“伝わらない”。どんなに良いメッセージでも、“聞いてもらえない”のでは？と思います。

コミュニケーションの場で“信頼を得るために何ができるのか”を、今後も深めていきたいと思います。

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引用元
日本インターネット広告協会（JIAA）
「インターネット広告に関するユーザー意識調査 2025」（2025年8月7日発表）
https://www.jiaa.org/wp-content/uploads/2025/08/20250807_user_chosa_report_2025_02.pdf